がん総合情報

 FDAのMedWatchは,5月8日,OSI社,Genentech社とともに,エルロチニブ(商品名タルセバ)の新たなに使用上の注意を追加したと発表しました。これらには,消化管穿孔,水泡形成やスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)と推察される剥脱性皮膚炎,角膜穿孔または潰瘍形成などが含まれ,エルロチニブ投与中に報告されたとのことです。時に致死的になることもあるようですので,十分な注意が必要と思われます。
FDA MedWatch
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2009/safety09.htm#Tarceva

 Roche社は,5月6日,これまでの治療に奏効しなくなった脳腫瘍(神経膠芽腫)の治療薬としてベバシズマブ(商品名アバスチン)が米国FDAより承認されたと発表しています。

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 日経がんナビに,4月27日開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で,ペメトレキセド(商品名アリムタ)の非小細胞肺がんの適応拡大とソラフェニブ(商品名ネクサバール)の肝細胞がんへの適応拡大について了承され,5月中にも承認される可能性があるとの記事が掲載されています。

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Dendreon Corporation社は,4月28日,前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)抗原を標的とする活性化免疫細胞製剤Sipuleucel-T(商品名Provence)の進行前立腺がんに対する効果を比較したプラセボ比較,二重盲検,ランダム化比較第III相試験で良好な結果が得られ,米国泌尿器科学会(AUA)でその成績が報告されたと発表しています。

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 2009年4月28日付けのPharmaLive.comに,Roche社とスペイン肺がん研究グループ(SLCG)が,EGFR遺伝子変異が認められる非小細胞肺がん患者に対する1次療法として,エルロチニブ(商品名タルセバ)が化学療法に比較して優越性があるかどうかを評価するランダム化比較第III相試験(EURTAC試験)を行うと発表したことを伝えています。

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 ヤンセンファーマ株式会社は,4月22日付けで,PEG化リポソーム化ドキソルビシン(商品名ドキシル)が「がん化学療法後に増悪した卵巣がん」の追加適応が承認されたと発表しています。

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 グラクソ・スミスクライン株式会社は,4月22日付けで,ラパチニブ(商品名タイケルブ)が「HER-2過剰発現が確認された手術不能または再発乳がん」の治療薬として承認されたと発表しています。

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 血管内皮増殖因子(VEGF)のモノクロナル抗体であるベバシズマブ(商品名アバスチン)は,進行大腸がん治療薬として承認されています。II期またはIII期の結腸がん患者の術後補助療法として,オキサリプラチン,5-FU,ホリナート併用のmFOLFOX6療法単独群とベバシズマブ(5mg/kg,2週毎)併用する群の主要評価項目を無病生存期間として,効果を比較するランダム化比較第III相試験(NSABP C-08試験)が行われていましたが,Roche社は,4月22日,この試験の主要評価項目である無病生存期間に有意差が認められず,結腸がんの再発を抑制するという試験目的が達成できなかったと発表しました。
 NSABP C-08試験での集積患者のうち,II期,III期の割合が不明ですが,結腸がんのII期患者では,補助化学療法の効果も明確ではないという成績もありますので,II期例が多ければ,ベバシズマブの併用効果は明確にならない可能性もあると思います。再発リスクが高いと思われるIII期例で,ベバシズマブ併用の効果はあるのかどうか興味があります。
Roche社プレスリリース
http://www.roche.com/media/media_releases/med-cor-2009-04-22.htm

 薬事日報の4月4日の記事に,ヒューマンサイエンス振興財団が2008年度将来動向調査報告書としてまとめた「がん医療の将来動向II‐先端技術の現状とがん医療への応用に向けて」に関する記事が掲載されていました。

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 Pfizer社は,4月2日,進行乳がん患者を対象とするスニチニブ(商品名スーテント)の第III相試験の一つを,有効性が不十分のため,中止すると発表しています。
 この試験は,標準治療に奏効しなくなった進行乳がん患者を対象に,スニチニブ単独投与とカペシタビン(商品名ゼローダ)単独投与との効果を比較した第III相試験で,データモニター委員会は,試験の継続も許可しているようですが,主要評価項目である無増悪生存期間に関して,カペシタビン単独投与と比較して,有意な改善効果を示すことが出来ないとして,中止を決定したようです。
 進行乳がんに対して効果が確認されているカペシタビンと比較することで,スニチニブの有効性を示そうと考えたのかも知れませんが,まずは,HER-2のチロシンキナーゼ阻害薬であるラパチニブ(商品名タイケルブ)のように,カペシタビン単独とスニチニブとカペシタビンの併用を比較した方が良いのかも知れませんね。
 HER-2のチロシンキナーゼ阻害薬であるラパチニブは,カペシタビンとの併用で効果を認めていますので,進行乳がんに対する他の第III相試験は継続するようです。
Pfizer社プレスリリース