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PARP-1阻害薬Iniparib (BSI-201)はトリプルネガティブ転移性乳がん患者の予後を改善しない?

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がん医療総論
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 エストロゲン受容体,プロゲステロン受容体,HER-2がともに陰性のいわゆるトリプルネガティブ乳がんに対して,ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)阻害薬の効果が期待され,PARP-1阻害剤であるiniparibのランダム化比較第II相試験結果が報告されています。その結果を受けて,第III相試験が行われていたようですが,1月27日,Sanofi-Aventis社は,その結果の一部を発表しています。


Sanofi-Aventis社プレスリリース
http://en.sanofi-aventis.com/binaries/20110127_BSI_en_tcm28-30168.pdf
 
 この第III相試験は,米国109施設が参加して行われたもので,これまで2次治療まで経験したトリプルネガティブ転移性乳がん患者519例を対象として,ゲムシタビンとカルボプラチン併用の化学療法単独群と化学療法にiniparib5.6mg/kgを併用する群を,全生存期間と無増悪生存期間を主要評価項目として,効果を比較しています。
 詳細は不明ですが,iniparib併用群は,全生存期間と無増悪生存期間の有意な改善を認めていないとのことです。
 第II相試験で可能性のある結果が得られていたのに残念ですが,開発企業では,詳細な解析を勧めるとのことです。
 第II相試験で良好な結果が得られていましたので,効果予測因子など検討していなかったのかもしれませんが,今回の結果で,PARP-1阻害薬が効果がないと判断するのではなく,どのような因子を持つ例に効果があるのかを解析することが必要と思われます。

<関連情報>
トリプルネガティブ乳がんに対するPARP-1阻害薬iniparibの第II相試験結果
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=2010
ASCO2009情報:BSI-201がトリプルネガティブ乳がんに有効である可能性が示された
http://clinicalscience.info/modules/canser_info_blog/details.php?bid=318
トリプルネガティブ乳がん患者に有効性の高いと期待されるレジメンが開発されています
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1738
トリプルネガティブ乳がんの術前化学療法の第II相試験から
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1482
初期乳がんの術後化学療法レジメンを評価した2つの報告から;皆さんはどのンレジメンを選びますか?
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=2004
トリプルネガティブリンパ節転移陰性初期乳がんの術後補助療法としてCMF療法は効果的かもしれない
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1919
トリプルネガティブ,HER-2過剰発現乳がんの脳転移のリスクに関する研究
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1773

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