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米国FDAはアバスチンの乳がんの適応を削除する方針

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[更新日:2010年12月18日]
 米国FDAの腫瘍薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee,ODAC)では,今年7月にHER-2陰性転移性乳がん治療薬としてのベバシズマブ(商品名アバスチン)の適応を取り消すことを12対1で推奨したと発表しています。12月16日のFDAのプレスリリースで,ベバシズマブのこの適応を削除する方針であることが,米国FDAより発表されています。


FDAプレスリリース
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm237172.htm
Q&A
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/ucm237095.htm

 以前も紹介したように,ベバシズマブのHER-2陰性乳がんに対する適応は,パクリタキセルとの併用効果を評価したランダム化比較試験E2100試験の結果を基に承認申請されていましたが,ODACが生存期間の延長が認められないこと,関連する心臓血管系有害反応,出血や消化管穿孔など死亡を含む毒性を増加する可能性があることを理由に承認を保留していましたが,Genentech社は,ドセタキセルとの併用効果を評価したAVADO試験,タキサン製剤,アントラサイクリン製剤,カペシタビンとの併用効果を評価したRIBBON-1試験結果を追加提出し,迅速承認されたという経緯があります。
 E2100試験,AVADO試験,RIBBON-1試験などの査読した結果,無増悪生存期間は有意に改善しているが,迅速承認次に要求していた全生存期間改善効果が認められないこと,また,出血,消化管穿孔,高血圧,血栓,腎毒性などの致死的にもなる有害反応が出現することを総合的に判断して,承認を取り消す方針を決めたようです。
 この議論は,迅速承認前にもあり,市民団体が,ベバシズマブの承認に反対していたのにもかかわらず,FDAは,迅速承認をしました。迅速承認ですので,その後の臨床試験データを確認して,完全な承認にするかどうかを決めることになっていると思いますが,どうして今頃,同じような理由で承認が取り消されるのかという疑問があります。有効性や安全性に問題があるとすれば,迅速承認を行ったことは,問題があることになります。
 最近,分子標的治療薬などの抗がん剤は,無増悪生存期間は延長するが,全生存期間を延長しないものが多いと思いますし,致死的な有害反応を示すものもあります。
 今回の承認取り消しの理由が妥当であるとすれば,他の抗がん剤の承認も取り消さなければならいのではないでしょうか。
 薬剤の効果判定基準や承認基準をより明確にしなければ,今行われている臨床試験が無駄になるように思います。
 近日中に,製薬企業が反証できるデータを提出しなければ,承認は取り消されることになると思います。
 なお,他の適応(大腸がん,非小細胞肺がん,腎細胞がん,神経膠芽腫)には影響はないとのことです。
 ちなみに,英国NICEでは,転移性大腸がんへの使用も推奨しないことを決めています。
 
<関連情報>
FDAは,アバスチンの乳がんの適応を取り消すかも
http://clinicalscience.info/modules/canser_info_blog/details.php?bid=343
FDAは,アバスチンの乳がんの適応承認を保留
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1285
欧州でアバスチンが転移性乳がんの第一選択治療として承認
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=41
FDA承認に対する専門家の意見:転移性乳がん治療薬としてのアバスチン
http://clinicalscience.info/modules/canser_info_blog/details.php?bid=123

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