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FDAは,アバスチンの乳がんの適応を取り消すかも

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 Genentech社は,7月20日,米国FDAの腫瘍薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee,ODAC)がHER-2陰性乳がんに対する1次治療薬としてのパクリタキセルとの併用でのベバシズマブ(商品名アバスチン)の適応を取り消すことを12対1で推奨したと発表しています。


Genentech社プレスリリース
http://www.gene.com/gene/news/press-releases/display.do?method=detail&id=12887

 ベバシズマブのHER-2陰性乳がんに対する適応は,パクリタキセルとの併用効果を評価したランダム化比較試験E2100試験の結果を基に承認申請されていましたが,ODACが生存期間の延長が認められないこと,関連する心臓血管系有害反応,出血や消化管穿孔など死亡を含む毒性を増加する可能性があることを理由に承認を保留していましたが,Genentech社は,ドセタキセルとの併用効果を評価したAVADO試験,タキサン製剤,アントラサイクリン製剤,カペシタビンとの併用効果を評価したRIBBON-1試験結果を追加提出し,迅速承認されたという経緯があります。
 今回ODACは,E2100試験,AVADO試験,RIBBON-1試験の査読し直し,承認を取り消すよう推奨したようです。
 ベバシズマブはHER-2陰性乳がんに対して無増悪生存期間の延長効果が認められています。有害反応もこれまで報告されているものと同様です。この議論は,迅速承認前にもあり,市民団体が,ベバシズマブの承認に反対していたのにもかかわらず,FDAは,迅速承認をしました。迅速承認ですので,その後の臨床試験データを確認して,完全な承認にするかどうかを決めることになっていると思いますが,どうして今頃,同じような理由で承認が取り消されるのかという疑問があります。
 有効性や安全性に問題があるとすれば,迅速承認を行ったことは,正しくないことになります。
 最近,分子標的治療薬などの抗がん剤は,無増悪生存期間は延長するが,全生存期間を延長しないものが多いと思います。今回の承認取り消しの理由が妥当であるとすれば,他の抗がん剤の承認も取り消さなければならいのではないでしょうか。
 効果判定基準,承認基準をより明確にする必要がありそうです。

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