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皆さんも考えてみませんか?

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 全国大学高専職員組合病院協議会は看護師の労働実態の調査報告「2006年安全・安心の看護をめざす国立大学病院看護職員アンケート結果」を発表し,マスコミ各社がこのアンケート結果について報道しています。
全国大学高専職員組合アンケート結果-記者発表資料

 25の国立大学病院看護師(推測13893名)に昨年2006年10月にアンケート調査を行い回答があった5410名(38.4%)を集計したものです。
 結果は,体制が比較的整っていて,労働条件が比較的良好と考えられている国立大学でも,看護師が過酷な労働に苦悩している様子がうかがい知れます。
 朝日新聞は,仕事を辞めたいという看護師が44%あるということに注目し,過去半年に退職を「いつも」「しばしば」考えた人は計44%と伝え,有給休暇を取れない方が増えており,月40時間以上の残業をする方も増えていることをあげています。また回答者の51%の方が「十分な看護が出来ていない」と考え,その理由は「仕事が過密」とあげる方が多かったと報道しています。
朝日新聞記事

 時事通信では,やはり有給休暇を取れない方が増えて,半数近くの方が「体がとても疲れる」「精神的にとても疲れる」と答えたことを問題にしています。
時事通信記事

 読売新聞は,昨年4月〜9月にミスを起こしたり,起こしそうになったりした人は60.9%で,25歳までの若手看護師では76.7%と経験が少ない看護師に多いことを取り上げていました。
 また,「業務量の多さや複雑さで、パニックになる」ことが「よくある」「時々ある」と答えた人は43.8%,48.9%が「十分な看護ができていない」と答え,その理由として,「業務が過密」(38.7%),「人員が少なすぎる」(36.7%)としていることも取り上げています。
読売新聞記事

 マスコミ各社の取り上げ方は若干異なりますが,いずれも大学病院の看護師の勤務状態が過酷な状況になってきていることがわかります。
 7:1の看護体制で,首都圏の有名大学病院が看護師を確保するために狂奔し,結果として地方の病院の看護師不足に拍車がかかったとの報道もありました。
 他の医療機関に比べて,良好な労働条件といわれる大学病院でさえも,このような状態なのですから,他の医療機関,特に地方の病院では推して知るべしという状態と思います。

 僕の仲間の看護師も,日勤,準夜勤,夜勤という三交代制で,うまく睡眠を取ることが出来ず,いつも睡眠薬を飲んでいました。
 医療の質は,医療専門職の力量(知識,技術)と時間的余裕がなければ,確保できないとおもいますので,看護師や医師がこのような過酷な労働条件では,質の高い医療を提供することは不可能な状態と思います。
 財務省は医療費削減に動いているようですが,医師,看護師の不足(偏在化ということもいわれていますが)が更に続けば,間違いなく医療は崩壊するのかも知れません。
 医療は,国家の福祉政策の基本と思います。無駄な医療費は削減しなければなりませんが,医師数,看護師数を制限するという政策で本当に良い医療が実現できるとは思われません。

 政府・与党でも医師不足対策を検討しているようですが,医師の偏在化を変えるだけでは,効果は期待できるとは思われません。医療に対する抜本的な議論が必要ではないと思います。
 今対応しているからというだけでなく,行政も国民も,なぜこのようなことになってしまったのかをよく考えることが必要ではないでしょうか。

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