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生姜は抗がん剤による吐き気を予防するかもしれません

カテゴリ : 
薬物療法の副作用対策
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 今月29日から米国フロリダ州オーランドで米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催されていますが,その学会で生姜が抗がん剤投与による吐き気や嘔吐に対して予防効果があることを示した臨床試験結果が発表される予定です。抄録に基づいて,その臨床試験結果を紹介します。


Ryan JL et al. ASCO 2009 # 9511
http://www.abstract.asco.org/AbstView_65_35351.html

対象患者:
 化学療法後に吐き気を経験し,さらに3サイクル以上の化学療法を受ける予定のがん患者さん644名

方法:
 対象患者さんを,プロセボ(生姜が含めれていない)群,生姜0.5g投与群,生姜1.0g投与群または生姜1.5g投与群にランダムに割り付けて,4群の吐き気に対する効果を比較しています。
 対象となった患者さん全員に化学療法投与の第1日目にグラニセトロン(商品名カイトリルなど)などの5HT3受容体拮抗薬を投与し,生姜が含まれたカプセルまたはプラセボのカプセルを化学療法開始3日前から服用開始し,1日2回,6日間投与を行います。
 吐き気に関しては,朝,午後,夕方,夜の吐き気の程度を,1(全く吐き気がない)から7(著明な吐き気がある)の7段階に患者さんが評価することにしています。
 
結果
 対象となった患者さんは90%が女性で,平均年齢53歳で,乳がん66%,消化器がん6.5%,肺がん6.1%が主ながん腫のようです。
 第2回サイクルと第3サイクルの吐き気の変化について検討した結果,生姜の投与群ではいずれも統計学的に有意な吐き気の減少が認められたようですが(P=0.003),最も効果が認められたのは,生姜0.5g,1.0g投与群であるとのことです(P<0.001)。

 これらの結果から,研究者は1日0.5-1.0gの生姜を服用することにより,化学療法の第1日目の吐き気を減少させると結論しています。

 強い抗がん剤を投与しますと,吐き気で気持ちが悪くなることがありますが,生姜を服用することで,吐き気が改善するという興味ある結果です。
 今回の試験に用いた生姜は,すり下ろしたものか,凍結乾燥粉末か具体的にはわかりませんが,生姜が抗がん剤投与による吐き気を予防できることが推察されます。
 この情報は,学会抄録であるために詳細なことは不明ですが,化学療法を計画されている方は,投与3日前くらいから生姜を含んだ料理を食べていただくことで,吐き気が少なくなることも考えられます。
 化学療法には他の副作用もありますので,他の副作用の予防・対策を行いながら,生姜を含んだ料理を食べて,快適ながん治療を受けていただければ幸いです。

 他の対処法に関しては,拙書「患者中心のがん医療ガイド-抗がん剤の効果と副作用をしることからはじめよう」(日本評論社)を参考にしていただければ幸いです。

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