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食の安全:健康被害とは?

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先日来,食の安全が問題になっていますが,健康被害について報道されています。皆さんは,健康被害がどのようなものか考えたことがありますでしょうか?


 健康被害には,多くのマスコミで報道されているような毒物を含むようなものを摂取した後に,比較的短期間に吐き気や中毒症状,時に生命を脅かすような毒性を示すものと,摂取してから数年~数十年後のかなり後から,がんや他の病気を引き起こすものがあります。

事故米で,カビが生えた米が食用に出回った際に,農水省の大臣や次官の方が,「健康被害は報告されていない」,「あの程度の量では,健康被害が出ない」と言っていたのを覚えておられると思いますが,農水省の方々やマスコミが言っている健康被害は,冷凍餃子や中国の毒物入りミルクのように,比較的短期間の吐き気や中毒症状を起こす健康被害だけを言っていますので,摂取後,かなり後にみられる長期毒性(晩期毒性とも言います)のような健康被害はないというわけではありません。

カビに含まれるアフラトキシンは,大量のアフラトキシンに汚染されたトウモロコシを食べたことにより,急性肝炎などの症状で死亡するなどの食べた直後に健康被害をもたらします。しかし,アフラトキシンは,発がん作用も強く,
15μg/kg(μg:百万分の1g)含んだ飼料で飼育されたネズミは、全て肝臓がんになることが報告されています。
 言い換えますと,アフラトキシンは,私たちの細胞の遺伝子異常をもたらし,がんを発生させる可能性があると考えられます。
 農薬も同じで,比較的多くの農薬(例えば,冷凍餃子に含めれていたメタミドホスの量など)を摂取しますと,中毒症状などがでますが,小量では,中毒症状はでないものの遺伝子異常をもたらし,将来,がんや他の病気を引き起こす可能性もあります。

このようなアフラトキシンや農薬の健康被害は,食べた後の吐き気や中毒症状も問題なのですが,遺伝子異常による「がんの発生」や他の病気の発生は,数年もしくは数十年後にみられる長期毒性も問題となるはずです。
 本来なら,長期毒性も健康被害と言わなければならないはずなのですが,発がんするのに長期間かかりますので,その健康被害を証明しにくいため,長期毒性を健康被害に含めていないのかも知れません。
 しかし,アフラトキシンや農薬の一部には,このような遺伝子異常をもたらす性質があることや長期毒性の危険性を知らせるべきですし,ましてや,このような可能性のあるものを知らず知らずのうちに摂取させるような管理をしておきながら,健康被害はないという農水省の姿勢は,大きな問題があると言わざるを得ません。 
 建築資材に使用されてきたアスベストの発がん性は,20年以上も前から指摘されていましたが,適切な対応を行ってこなかったために悪性胸膜中皮腫というがんが問題になってしまいました。
 
 最近,また中国製の冷凍野菜に農薬が混入しているという事件がありました。発がんのリスクが高いものは,避けた方が賢明と思いますし,出来るだけその可能性のない食品を選ぶことが必要なのかも知れません。

しかし,一方で,私たちの身体には,遺伝子異常があれば,その異常を修復するような機能も備わっています。そのような機能がどのような時に働くのかはまだわかっていないと思いますが,健康的な食生活(農薬などが混入していないようなもの,それを見つけるのが難しいのですが),適切な運動,ストレスを抱え込まないような心理的に快適な生活が望ましいのかもしれません。