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アービタックス,9月19日,発売

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がんの薬物療法
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 上皮増殖因子受容体(EGFR)のキメラ抗体であるセツキシマブ(商品名アービタックス)は,本日メルクセローノ(株)より発売され,ブリストル・マイヤーズ(株)は,医療機関に対する情報提供活動を本格的に開始すると発表しました。

ブリストル・マイヤーズ(株)プレスリリース

 セツキシマブは,CRYSTAL試験と呼ばれる転移性大腸がん患者を大勝とする第III相試験で,イリノテカン,5-FU,ホリナート併用のFOLFIRI療法に併用ことにより主要評価項目である無増悪期間が有意に延長することが報告されていました(8.9ヵ月 vs 8.0ヵ月,P=0.048)。
 その後,副次的評価項目である全生存期間でも有意差がなく(19.9ヵ月vs 18.6ヵ月,ハザード比0.931,P=0.305),セツキシマブが効果を発揮しやすいKRAS遺伝子変異が認められない野生型でも有意差を認めていないことが,ImClone社から発表されています(24.9ヵ月 vs 21ヵ月,ハザード比0.844,P=0.217)。

 今回承認された適応は,「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発大腸がんのセカンド及びそれ以降の治療」で,用法・用量は,「週1回,セツキシマブとして,初回は400mg/m2を2時間かけて,2回目以降は250mg/m2を1時間かけて点滴静注する」となっています。

 セツキシマブの薬価は,100mg35,894円です。日本人は平均して体表面積に約1.5倍が実際の投与量になりますので,初回600mg,2回目以降375mgですので,最初の週は215,364円,2回目以降134,602.5円/週となります。月あたりでは,538,410円 753,774円と高価になります。

 セツキシマブの臨床的に意義のある治療かもしれませんが,臨床効果は,それ程大きいものとは思えませんので,この薬価が妥当なものであるのか不明です。

 この薬価を有意義なものとするためには,EGFR陽性でKRAS遺伝子変異なしに限定した方が良いのかもしれません。

 セツキシマブも他の薬剤と同様,主に海外の臨床試験結果を利用して,国内の臨床成績は多くありませんので,全例調査になっています。
 セツキシマブは,キメラ抗体であるためにインフュージョン反応などのアナフィラキシー様反応の出現もあり,ざ瘡様皮疹や低マグネシウム血症などの効果に関連する有害反応もあることが知られていますので,十分な有害反応対策を行った上で投与を行って欲しいと思います。