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がん患者の貧血には,輸血が望ましい!?

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薬物療法の副作用対策
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 欧州医薬品審査庁(EMEA)は,6月26日,エポエチンを含む製剤の製品情報に新たな警告として「がん患者の貧血を改善する好ましい方法は輸血である」付け加えることを推奨したと発表しました。
 欧州医薬品審査庁(EMEA)は,6月26日,エポエチンを含む製剤の製品情報に新たな警告として「がん患者の貧血を改善する好ましい方法は輸血である」付け加えることを推奨したと発表しました。
EMEAプレスリリース
http://www.emea.europa.eu/pdfs/human/press/pr/33396308en.pdf

 EMEAの医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP)が,エポエチン製剤投与群と非投与群のを比較した新たな試験結果で,腫瘍増殖リスク,静脈血栓塞栓症,生存期間の短縮など評価した結果,2008年6月の会合で,エポエチン製剤のベネフィットは,承認効能でのリスクを上回ると結論しています。
 しかし,がん患者では,エポエチン製剤を使用するベネフィットは,腫瘍増殖リスク,静脈血栓塞栓症,生存期間の短縮のリスクを上回らないことから,委員会では,これらの患者の貧血は,輸血で修正するべきであると結論しています。

 また,エポエチン製剤の使用の意思決定は,がん種,病期,貧血の程度,患者の余命予測,環境,患者の意向など患者個々毎にリスクに対するベネフィットを評価した上で,患者とともに意志決定するべきであることを記載しています。

 委員会では,慢性腎不全患者の貧血に対する使用に関しては,新たな情報がないと合意していますので,これまで通り適応となります。

 貧血があれば,エポエチン製剤という短絡的な考え方は,好ましいと言えないでしょうね。
 がん患者の貧血は,輸血が基本となりますが,輸血により免疫機能が低下するという報告もありますので,患者さんの状況をよく観察することは重要なことと思います。

<関連情報>
エリスロポエチン製剤は乳がん,頭頸部がんの使用を制限される?!(フリーアクセス)
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エリスロポエチン製剤の臨床試験から-Part1(有料サイト)
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1338
エリスロポエチン製剤の臨床試験から-Part2(有料サイト)
http://clinicalscience.info/modules/cancer_research/details.php?bid=1339