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ホルモン補完療法は卵巣がん発生のリスクも高めます

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 女性の更年期障害の辛い症状の緩和,骨粗鬆症の予防のためにホルモン補完療法(HRT)が行われることがありましたが,ホルモン補完療法により心不全が増加することが明らかとなってから,ホルモン補完療法はあまり行われなくなりました。
 米国臨床腫瘍学会(ASCO)が発表した2007年の成果によりますと,ホルモン補完療法が行われなくなるに伴い乳がんの発生率(罹患率)が低下し始め,ホルモン補完療法が乳がん発生に関連していることが明らかになってきているとのことが示されています。
米国臨床腫瘍学会(ASCO)が2007年の主な成果を発表(有料サイト情報:有料会員登録が必要です)

 婦人科腫瘍の専門誌Gynecologic Oncology誌のオンライン版に,ホルモン補完療法と卵巣がんの発生の関連性を調べた研究報告が掲載されています。
Zhou B et al. Gynecol Oncology 2008 in press

 この研究は,ホルモン補完療法を行う例と行わなかった例の病気の発現状況を調べる8つのコホート試験(約200万人以上を調べています)と卵巣がん患者と卵巣がんではない患者のエストロゲン補完療法の実施率を調べる19の症例-対照試験(2万人以上を調べています)を統合して解析するメタ分析で行ったものです。

 ホルモン補完療法を行う例と行わなかった例の病気の発現状況を調べる8つのコホート試験では,ホルモン療法を行った例では相対リスク1.24(95%信頼区間1.15-1.34)と卵巣がんの発生が増加していることがわかりました。
 日本では,年間8000人が新たに卵巣がんが発生していますので,ホルモン補完療法を行えば24%増加しますので,9920人と卵巣がんが増加するという意味になります。
 ホルモン補完療法の実施期間についてみますと,相対リスクは,5年以下1.02,6〜10年1.13,10年以上1.21と増加する傾向が認められました。
 
 この研究報告の結果をまとめますと,ホルモン補完療法は卵巣がん発生のリスクを有意に増加すること,そして,ホルモン補完療法の期間が延長するとそのリスクは増加する傾向があることがわかりました。

 更年期障害のほてり,動悸など辛い症状を経験するといいますが,更年期障害は,女性の自然現象でもありますので,本当に辛いときには薬で対処することも必要かもしれませんが,可能であれば,薬ではなく,適度な運動などで改善を図ることが重要であることを示唆していると思います。
 自然現象を長期間の薬物療法で対処するということは,どこかに異常が生じると考えた方がよいと思います。

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