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非ホジキンリンパ腫の効果はタバコとアルコールで減弱する可能性があります

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がんの療養生活
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 知人が非ホジキンリンパ腫と診断されそうですので,非ホジキンリンパ腫関連の情報をお伝えしたいと思います。
 非ホジキンリンパ腫は色々なタイプがありますが,シクロホスファミド(商品名エンドキサン),ドキソルビシン(商品名アドリアシンなど),ビンクリスチン(商品名オンコビン)とプレドニゾロン(商品名プレドニンなど)を一緒に投与するCHOP療法やそれらにリツキシマブ(商品名リツキサン)を併用するR-CHOP療法が有効であることが知られています。
 更に,リツキシマブに放射線元素を結合させた抗体医薬イブリツモマブ(商品名ゼヴァリン)も応用可能になっています。
 これらの治療は,白血球減少,吐き気・嘔吐,脱毛,倦怠感の副作用が強いと知られていますので,十分な副作用対策が必要になります。

 今年になって,CHOP療法を行った非ホジキンリンパ腫の患者さんの生存期間とタバコとアルコールの影響を調べたイタリアの研究成績が発表されました。
Talamini R et al Int J Cancer 2008;122:1624-1629

 対象患者は,イタリアの専門施設でCHOP療法やCHOP療法とにた治療を受けた非ホジキンリンパ腫の患者さん268名です。

 患者さんに,喫煙状況(吸わない,1日20本未満吸う,1日20本以上吸う),喫煙歴(吸ったことがない,喫煙歴30年未満,喫煙歴30年以上),アルコール(1日2杯以内,2〜3杯,4杯以上),飲酒歴(20年以内,30〜39年,40年以上)を質問して,各々の5年生存率を検討しています。
 アルコールの1杯は,ワインであれば125ml,ビールであれば330mlで,10%のアルコールを含むお酒では,100〜120mlになります。

・喫煙状況の5年生存率
 吸わない方:60%,1日20本未満吸う方:62%,1日20本以上吸う方:46%
 20本以上吸っている方は,吸わない方に比較して,有意に生存率が悪いことが示されています(P=0.03)。

・喫煙歴の5年生存率
 吸ったことがない:60%,喫煙歴30年未満62%,喫煙歴30年以上:49%
 喫煙歴が長い方が5年生存率が不要である傾向を示していますが,統計学的に有意差とはなっていません。

・1日のアルコール摂取量と5年生存率
 1日2杯以内:67%,2〜3杯:63%,4杯以上:47%
 1日2杯以内飲酒される方に比較して,4杯以上飲まれる方は,有意に5年生存率が不良です(P=0.02)。
 飲酒歴が長い方の5年生存率は不良である傾向を示していますが,統計学的に有意ではありません。

・喫煙歴とアルコールの5年生存率
 1日4杯未満:喫煙したことがない方61%,喫煙したことがある方71%
 1日4杯以上:喫煙したことがない方56%,喫煙したことがある方45%

 P値が記載されていませんが1日4杯以上飲まれる方で喫煙歴のある方の5年生存率が有意に不良であることがわかります。

 このように現在タバコを数多く吸っている方で1日4杯以上のお酒を飲まれる方は,5年生存率が不良ですので,非ホジキンリンパ腫の治療効果を改善するためには,禁煙とアルコールの摂取量を減らすことを勧めるべきであると結論されています。

 私の知人は,過去はわかりませんが,現在はタバコを吸わない方ですが,少しアルコールがお好きな方ですので,お酒はたしなむ程度に減らした方がよいということです。

 CHOP療法など,非ホジキンリンパ腫の治療は辛い副作用がありますが,それを克服すると良い結果が得られる可能性がありますので,辛抱強く治療を受けていただき,良い結果が得られることを心より祈っています。