EGFR遺伝子野生型の進行非小細胞肺がんの1次療法はプラチナ製剤を含む化学療法と考えられてきましたが,PD-L1が50%以上認められる例では,ペムブロチズマブ(商品名キイトルーダ)は標準化学療法より効果的であることが報告されており,化学療法との併用効果を評価する第II相試験では,奏効率や無増悪生存期間が化学療法単独より効果的であることが報告されています。New England Journal of Medicine誌のオンライン版に,活性型EGFR遺伝子変異やALK変異が認められない転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者の1次療法として,ペメトレキセドとプラチナ製剤併用療法にペムブロチズマブとの併用を行った群とプラセボ併用群の効果を比較するプラセボ比較,二重盲検,ランダム化比較第III相試験(KEYNOTE-189試験)結果が掲載されています。
転移性乳がんに対する3次療法以降の標準治療に関しては未だ確定されていないのが実情と思います。Annals of Oncology誌のオンライン版に,これまで種々の治療を行ってきた転移性乳がん患者を対象に,新たなビンカアルカロイド系微小管作用薬として知られるビンフルニンと主治医が選択するアルキル化剤との効果を比較するオープンラベル,ランダム化比較第III相試験結果が掲載されています。