細胞周期G1期からS期へ移行させるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6を選択的に阻害するパルボチクリブ(商品名イブランス)は,ホルモン受容体陽性,HER-2陰性進行乳がん患者に対してフルベストラント(商品名フェソロデックス)との併用効果があることが,ランダム化比較第III相試験(PALOMA-3試験)で報告されています。European Journal of Cancer誌に長期の有効性に関連する因子を検討した結果が報告されています。
活性型EGFR遺伝子変異やALK転座が認められず,50%以上の腫瘍細胞にPD-L1陽性が認められる進行非小細胞肺がん患者を対象に,1次療法として,ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)単独群とプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法群との効果を比較したランダム化比較試験(KEYNOTE-024試験)で,ペムブロリズマブ単独群が無増悪生存期間,全生存期間,奏効率が有意に良好であることが示されています。Journal of Clinical Oncology誌のオンライン版に,追跡調査による全生存期間とクロスオーバーによる影響や有害事象についての検討結果が掲載されています。
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)が亢進し,生殖系にBRCA1またはやBRCA2の変異を認める乳がんや卵巣がんにはPARP阻害薬が効果的であることが報告されています。ベリパリブは開発段階にあるPARP阻害薬ですが,BRCA1/2変異再発または転移性乳がん患者では,カルボプラチン,パクリタキセルとの併用の第II相試験で,奏効率は有意な改善を示したものの,無増悪生存期間,全生存期間とも有意な改善を認めていません。Journal of Clinical Oncology誌に,進展型小細胞肺がんの1次療法として,シスプラチン,エトポシド併用のCE療法とベリパリブの併用効果を評価するプラセボ比較,二重盲検,ランダム化比較第II相試験(ECOG-ACRIN 2511試験)結果が掲載されています。